身近なタオルや布で親子で楽しむ『隠す・探す』運動遊び 生後6ヶ月頃〜1歳半向け
初めての育児では、お子様との日々の遊び方に戸惑いを感じることもあるかと存じます。特に、まだ体の動きが発達段階にある生後6ヶ月から1歳半頃のお子様との遊びは、どのようなものが適しているか迷われるかもしれません。この時期のお子様は、周りの世界への好奇心が芽生え、様々なものに触れたり、隠れているものを見つけたりすることに興味を持ち始めます。
ここでは、ご家庭にあるタオルや布を使った、この時期におすすめの簡単な運動遊び、『隠す・探す』遊びをご紹介します。特別な準備は不要で、お子様との温かい触れ合いを通じて、心と体の成長をサポートできます。
『隠す・探す』遊びが生後6ヶ月〜1歳半頃におすすめの理由
この時期のお子様は、視覚や聴覚、触覚といった感覚を使って盛んに周囲を探索し、見えないところにあるものが存在し続けることを理解し始めます。これは「対象の永続性(たいしょうのえいぞくせい)」と呼ばれる認知能力の発達の重要な一歩です。タオルや布を使った『隠す・探す』遊びは、この対象の永続性の理解を促し、同時に探索する楽しさや、見つける喜びを体験させてくれます。また、親子の温かい関わりの中で行うことで、お子様の安心感を育み、絆を深めることにもつながります。
遊び方1:タオルで「いないいないばあ」から一歩進んでみましょう
お子様が「いないいないばあ」を喜び始めたら、少し発展させた遊びに挑戦してみましょう。
- 対象となるおおよその月齢: 生後6ヶ月頃から
- 遊びを始めるために準備するもの: 大きめのタオル、お子様の好きなおもちゃ
- 具体的な遊び方のステップ:
- お子様におもちゃを見せ、「〇〇だよ」と声をかけます。
- おもちゃをタオルの下に隠します。「あれ?〇〇どこかな?」とお子様に問いかけます。
- 数秒待ってから、タオルを取っておもちゃを見せます。「いたいた!ここだよ!」と喜びを表現します。
- 慣れてきたら、隠している時間を少しずつ長くしたり、隠すタオルを変えてみたりします。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- 視覚追跡能力の発達
- 対象の永続性の理解促進
- 親子のコミュニケーション促進
- 探すことへの好奇心と集中力の向上
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- お子様の反応を見ながら、ゆっくりと行うことが大切です。焦らず、お子様が見つけられるようにヒントを与えても構いません。
- おもちゃを見つけられたら、「見つけたね!すごいね!」とたくさん褒め、共感の気持ちを伝えましょう。
- 「どこかな?」「見ーつけた!」など、言葉と表情で楽しさを伝えましょう。
- 安全に遊ぶための注意点:
- お子様の顔にタオルがかかりすぎないよう、必ず見守ってください。窒息の危険がないよう十分注意が必要です。
- お子様がタオルを口に入れてしまう可能性があるため、清潔なタオルを使用し、小さな飾りがついていないか確認してください。
遊び方2:ブランケットを使った「かくれんぼ」
親が隠れたり、お子様が体を布で隠したりする簡単な「かくれんぼ」遊びです。
- 対象となるおおよその月齢: 生後8ヶ月頃から(おすわりやはいはいができる頃)
- 遊びを始めるために準備するもの: ブランケットや大きめの布
- 具体的な遊び方のステップ:
- 親がブランケットで顔や体を隠し、「どこかなー?」と声をかけます。お子様がブランケットをめくったり、顔を覗き込んだりするのを待ち、「いたいた!」と喜びます。
- 慣れてきたら、お子様の体にそっとブランケットをかけ、「〇〇ちゃん、どこかな?」と声をかけます。お子様が自分でブランケットを取るのを促します。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- 親子のコミュニケーションと絆の深化
- 安心感と信頼感の向上
- 探すことへの興味と探索行動の促進
- 体の位置や動きを感じる感覚(固有受容覚)の発達の基礎
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- 「どこかな?」の声かけは、少し大げさな声色や表情で行うと、お子様の興味を引きやすくなります。
- お子様がブランケットをめくったり、動いたりしたら、「見つけたね!」と笑顔で応えましょう。
- お子様が自分から体を布で隠そうとする様子が見られたら、優しくサポートし、その行動を肯定的に受け止めましょう。
- 安全に遊ぶための注意点:
- お子様の体に布をかける際は、顔が完全に覆われないように注意し、呼吸ができる状態を保ってください。必ず目の届く場所で行い、お子様から目を離さないでください。
- 使用する布は、お子様が引っかかって転ばないよう、床に広げすぎないように注意してください。
遊び方3:少しレベルアップ - 複数のおもちゃを隠してみましょう
お子様が成長し、簡単な指示が理解できるようになったら、複数のものから特定のものを探し出す遊びに挑戦できます。
- 対象となるおおよその月齢: 1歳頃から
- 遊びを始めるために準備するもの: タオル、お子様の好きなおもちゃを2〜3個
- 具体的な遊び方のステップ:
- お子様に2〜3個のおもちゃを見せ、「この中に〇〇があるよ」と伝えます。
- おもちゃを並べ、それぞれを別々のタオルの下に隠します。
- 「〇〇はどこかな?探してみて」と声をかけ、お子様に特定のおもちゃを探してもらいます。
- 見つけられたらたくさん褒め、次のおもちゃを探すように促します。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- 認知能力(記憶力、弁別力)の発達
- 問題解決能力の芽生え
- 指差しや言葉の発達促進
- 探索行動と集中力の向上
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- 最初はおもちゃの数を少なくし、慣れてきたら増やしてみましょう。
- お子様が迷っている様子なら、「ヒント!これは〇〇の色だよ」など、優しくヒントを与えても構いません。
- お子様のペースに合わせて行い、根気強く見守ることが大切です。もし難しそうであれば、簡単な遊びに戻りましょう。
- 安全に遊ぶための注意点:
- 使用するおもちゃは、お子様が口に入れても安全なものを選び、小さな部品がないか確認してください。
- お子様がタオルで滑って転ばないよう、安全な場所で行ってください。
安全に遊ぶための全体的な注意点
- 常に見守る: どのような遊びを行う際も、お子様から目を離さず、安全を確保してください。
- 安全な場所で行う: 遊びを行う場所は、床に危険なものがなく、お子様が自由に動き回れる安全なスペースを選んでください。
- お子様の状態に合わせる: お子様の体調や機嫌が良い時に遊びましょう。疲れている時やぐずっている時は無理に行わず、お子様のペースを尊重してください。
遊びの準備や片付けを簡単にするための工夫
タオルや布を使った遊びは、準備も片付けも非常に簡単です。遊びたい時にサッと取り出し、遊びが終わったらすぐにたたんでしまうことができます。特別な道具を出す手間がないため、日々の生活の中に取り入れやすい運動遊びと言えるでしょう。使用するタオルや布は、お子様が普段使っているものであれば、準備の手間も省けます。
まとめ
身近にあるタオルや布は、お子様との楽しい『隠す・探す』運動遊びの素晴らしいアイテムになります。これらの遊びを通じて、お子様は物の存在を理解し、探求心を育み、そして何より、大好きな方との温かい触れ合いの中で安心感と喜びを感じることができます。
遊びに特別な正解はありません。お子様の小さな発見や喜びを一緒に分かち合い、たくさんの笑顔を引き出してください。お子様と心を通わせ、絆を深める大切な時間となりますことを願っております。