身近な空き箱で親子の触れ合いを深める 1歳半〜3歳向け簡単おうち運動あそび
はじめに
お子様との毎日の遊び方に悩んだり、特別な道具がないと楽しめないのではないかと感じたりすることは、初めての育児では多くの方が経験されることです。しかし、身近にあるものを活用することで、お子様は意外なほど豊かな遊びを展開し、身体や感覚の発達を促すことができます。
今回は、ご家庭に必ずと言っていいほど存在する「空き箱」を使った運動遊びをご紹介します。特別な準備はほとんど必要なく、1歳半頃から3歳頃までのお子様の発達段階に合わせて様々な遊び方が可能です。空き箱遊びを通じて、お子様の成長を促し、親子の絆をより一層深める時間を過ごしていただければ幸いです。
空き箱を使った簡単運動遊び【対象：1歳半頃〜3歳頃】
様々なサイズの空き箱は、お子様の想像力を刺激し、多様な身体の動きを引き出す素晴らしいおもちゃになります。ここでは、いくつか具体的な遊び方をご紹介します。
遊び方1：高ーく積み上げて、ドシーン！
準備するもの: * 様々なサイズの空き箱（丈夫で安全なものを選びましょう）
遊び方のステップ: 1. お子様と一緒に、空き箱を一つずつ積み重ねていきます。始めは低く、慣れてきたらお子様の身長よりも少し高くなるように挑戦してみましょう。 2. 積み上がった箱を、お子様の手や足で「ドシーン！」と崩します。 3. 崩れた箱を拾い集め、もう一度積み上げます。この繰り返しを楽しみます。
遊びを通じて期待できる効果: * 粗大運動の発達: 箱を運ぶ、しゃがむ、立ち上がる、手を伸ばすといった全身の動きを促します。 * 原因と結果の理解: 積むと高くなる、崩すと倒れるといった物理的な法則を遊びの中で感覚的に学びます。 * 空間認識能力の基礎: 箱の形や大きさを認識し、どこに置くと安定するかなどを考えるきっかけになります。
遊び方2：空き箱トンネルくぐり
準備するもの: * 大きめの丈夫な空き箱（お子様が中に入れるくらいのサイズ） * または、複数の空き箱を繋げてトンネル状にする
遊び方のステップ: 1. 大きめの空き箱の底と上を開けてトンネルを作ります。または、複数の箱を並べて繋げ、トンネルのようにします。 2. 保護者の方が「トンネルだよ、くぐってみよう」などと声をかけ、お子様がトンネルをハイハイや四つん這い、またはしゃがんだ姿勢で通り抜けるように促します。 3. トンネルの途中に好きなおもちゃを置いて、宝探しのようにしても楽しいでしょう。
遊びを通じて期待できる効果: * 全身運動と体幹の発達: トンネルをくぐる動作は、全身の筋肉を使い、バランス感覚や体幹を養います。 * 空間認識能力: 限られた空間を通り抜けることで、自分の体の大きさと空間の関係を学びます。 * 探索心と達成感: トンネルという非日常的な空間を通り抜けることで、冒険心や達成感を味わうことができます。
遊び方3：空き箱でごっこ遊び
準備するもの: * 様々なサイズの空き箱 * 必要に応じて、マジックや色鉛筆、セロハンテープなど
遊び方のステップ: 1. 小さめの空き箱を「車のハンドル」に見立てて運転ごっこをしたり、重ねて「電車」に見立てて遊んだりします。 2. 大きめの空き箱を「お家」や「お店」に見立てて、中に入ったり、出入りしたりして遊びます。 3. 空き箱にお子様と一緒に絵を描いたり、シールを貼ったりして、オリジナルの「乗り物」や「お家」を作ります。
遊びを通じて期待できる効果: * 想像力と創造力: 空き箱を様々なものに見立てることで、豊かな想像力や発想力が育まれます。 * 言語能力とコミュニケーション能力: ごっこ遊びの中で、言葉を使って状況を説明したり、役割を演じたりすることで、言葉の発達やコミュニケーションスキルが向上します。 * 感情表現: 役になりきって遊ぶことで、様々な感情を表現する機会を得られます。
遊び中の子どもとの関わり方のヒント
- 子どもの主体性を大切に: 保護者の方が遊び方をリードするだけでなく、お子様がどのように箱を使いたがっているかを観察し、その発想を尊重しましょう。「〇〇くんにとっては車に見えるんだね、すごいね！」のように、共感する言葉をかけることで、お子様の自己肯定感を育むことができます。
- 声かけで遊びを豊かに: 「これは大きい箱だね、重いかな？」「そーっと積んでみようか」「わぁ、高いタワーができたね！」など、具体的な状況や動作に合わせた声かけをすることで、お子様の気づきや思考を促します。
- 一緒に楽しむ姿勢: 保護者の方も一緒に箱を積んだり、トンネルをくぐったりすることで、お子様は安心して遊びに集中でき、親子の楽しい思い出が増えます。
安全に遊ぶための注意点
- 箱の安全性: 使用する空き箱は、破れや尖った部分がないか、清潔であるかを確認してください。強度がない箱や、印刷インクの匂いが強い箱は避けましょう。
- 周囲の環境: 遊ぶ場所には、滑りやすいものやぶつかると危険な家具などがないか確認し、十分なスペースを確保してください。
- 子どもの状態: お子様が疲れていたり、体調が悪かったりする時には無理に遊ばせず、休憩を挟んだり、別の遊びに切り替えたりすることが大切です。遊びに夢中になりすぎて、お子様の様子を見守ることを忘れないようにしてください。
遊びの準備や片付けを簡単にするための工夫
空き箱遊びは、特別な道具を用意する必要がなく、ご家庭にあるものを活用できるのが大きな利点です。遊びに使った箱は、遊び終わったらたたんで資源ごみに出す、あるいは別の工作や遊びのためにまとめておくことで、片付けも比較的簡単に行えます。場所を取る場合は、しばらくは「おもちゃの家」として置いておくなど、次の遊びに繋げる工夫も可能です。
まとめ
空き箱を使った運動遊びは、特別な準備や費用をかけずに、お子様の身体的な発達、感覚の発達、そして創造性やコミュニケーション能力を育むことができる素晴らしい方法です。何よりも、親子で一緒に同じ時間を共有し、笑い合うことで、お子様は安心感を得て、親子の信頼関係はより強固なものになります。
ぜひ、ご家庭にある空き箱を使って、お子様との楽しい運動遊びの時間をお過ごしください。お子様の成長に合わせて遊び方をアレンジしながら、親子で笑顔あふれる毎日を過ごせることを願っております。