手のひらで触れる楽しさ発見!感触遊びから広がる全身運動 1歳頃〜3歳向け
手のひらで感じる!色々な感触と全身運動を繋げる親子遊び
お子様が成長し、ハイハイやつかまり立ち、そしてあんよができるようになると、世界への好奇心はますます広がります。身の回りの様々なものを、目だけでなく「手」を使って確かめようとします。特に「手のひら」は、温度や湿度、形や硬さ、表面の質感など、多様な情報をキャッチする敏感なセンサーです。
この時期のお子様にとって、手のひらで様々な感触を体験することは、脳の発達に欠かせない刺激となります。さらに、その感触の場所まで移動したり、感触に合わせて体を動かしたりすることで、感覚の発達と全身を使った運動が自然に結びつきます。
今回は、特別な道具を用意することなく、おうちにある身近な場所やものを活用して、お子様が手のひらで様々な感触を楽しみながら全身を動かせる親子運動あそびをご紹介します。
この運動あそびについて
対象となるおおよその年齢・月齢
この遊びは、自力での移動(ハイハイ、伝い歩き、あんよなど)ができるようになる1歳頃から3歳頃までのお子様におすすめです。好奇心旺盛に手で触って確かめたい気持ちが出てきたら、ぜひ試してみてください。
遊びを始めるために準備するもの
この遊びの最大の特長は、ほとんど何も準備が必要ないという点です。お子様の手のひらが触れる、身近にある安全な場所やものを活用します。
- ご自宅の中にある様々な素材の床や家具(例: カーペット、フローリング、畳、ラグ、ソファ、クッションなど)
- 安全な布製品(例: タオル、ブランケット、ぬいぐるみなど)
- 屋外であれば、安全な場所の砂、土、草、石など(衛生面に配慮が必要です)
- 少量の水(洗面器やビニールシートの上など、濡れても良い場所で)
これらの「感触ポイント」をいくつか用意するだけで十分です。
具体的な遊び方のステップ
- 感触の探索: まずはお子様と一緒に、おうちの中や周りにある様々な感触の場所やものを手のひらで触ってみましょう。「ここ、ふわふわだね」「つるつるするね」「なんだかざらざらするね」などと、声に出して感触を言葉にしてみます。お子様が自分から手を伸ばして触るのを観察し、その様子に寄り添います。
- 感触ポイントへの移動: 触って気持ち良かった場所や、面白そうだと感じた場所をいくつか選び、「〇〇ちゃんの好きなふわふわのところまで、ハイハイでゴー!」「△△のところまで、あんよでいってみようか」と声をかけ、お子様の移動を促します。複数の感触ポイントを作り、そこを巡るように誘うのも良いでしょう。
- 感触場所での全身運動: 特定の感触ポイントに到着したら、そこで全身を使った動きを取り入れてみます。
- ふわふわのタオルケットの上: ゴロゴロ寝転がる、手足で感触を楽しむ、タオルケットをぎゅっと掴んでみる。
- 固いフローリングの上: 手をついてバランスをとる、床を押して立つ練習、あんよで歩いてみる。
- 柔らかいクッション: 手で押してみる、上に座ってバランスをとる、クッションを乗り越えてみる(大人が補助)。
- 少量の水: 手のひらでパシャパシャする、水面に手をつけて水の流れを感じる、水の感触を楽しみながら足踏みをしてみる。
- 繰り返しと発展: 様々な感触ポイントを巡りながら、移動と全身運動を繰り返します。お子様が特に気に入った感触があれば、その場所での遊びをじっくり楽しむのも良いでしょう。慣れてきたら、「次は〇〇のところまで、クマさん歩き(四つん這い)でいってみようか」のように、移動方法に変化をつけてみるのもおすすめです。
遊びを通じて期待できる効果
- 感覚の発達(特に触覚・固有受容覚): 手のひらで様々な表面の凹凸、温度、硬さなどを感じ取ることで触覚が豊かになります。また、移動したり体を動かしたりする中で、筋肉や関節の動きを感じ取る固有受容覚も刺激されます。これらの感覚情報は、脳の発達や体の使い方を学ぶ上で非常に重要です。
- 身体能力の発達: 感触ポイントへの移動(ハイハイ、あんよ、伝い歩き)や、その場所での様々な動き(寝転がる、座る、押す、乗り越える、ジャンプの真似など)を通じて、体幹やバランス感覚、全身の協調性といった粗大運動能力が養われます。
- 親子のコミュニケーション促進: 「気持ちいいね」「つめたいね」など、感触について言葉でやり取りすることで、親子の言葉のコミュニケーションが深まります。また、一緒に探索したり、体の動きをサポートしたりすることで、安心感や信頼感が高まり、親子の絆が強まります。
- 探求心と好奇心の発達: 新しい感触への興味は、お子様の探求心を刺激します。自ら触って確かめる経験は、主体性や学ぶことへの意欲を育みます。
- 感情表現の豊かさ: 楽しい、気持ちいい、不思議、といった様々な感情を、体や表情で表現することを学びます。
遊び中の子どもとの関わり方のヒント
- お子様の「触ってみたい」という気持ちを大切にしましょう。無理強いせず、お子様のペースに合わせてください。
- 感触について、擬音語や擬態語も使いながら、具体的な言葉で表現してみましょう。「ふわふわ」「つるつる」「ひんやり」「もちもち」など、豊かな言葉がお子様の感覚と言葉を結びつけます。
- お子様が新しい感触に触れるのをためらっているようであれば、まずお母様自身が楽しそうに触ってみせて、「わぁ、ここ気持ちいいね!」などと誘ってみましょう。
- 移動や全身運動に繋げる際は、「上手にハイハイできたね!」「ぴょんぴょん、楽しいね!」などと具体的に褒め、励ましてください。
- お子様が自分で新しい感触ポイントを見つけたり、新しい動きを試したりしたら、その主体性を認め、応援しましょう。
安全に遊ぶための注意点
- 遊びを行う場所の安全を十分に確認してください。角のある家具や段差の近く、滑りやすい場所は避けてください。
- お子様が口に入れてしまう可能性のある小さなものや危険なものは、遊び場から必ず片付けてください。
- お子様の体調が良い時に行い、疲れていないか、飽きていないかを常に観察してください。
- 水や土などを使う場合は、清潔なものを使用し、終わった後は手足を清潔に保つようにしてください。
- 屋外で行う場合は、地面に危険なものが落ちていないか、天候は良いかを確認し、熱中症や寒さ対策も忘れずに行いましょう。
準備や片付けを簡単にするための工夫
この遊びは、特別な道具をほとんど使用しないため、準備や片付けの手間が少ないのがメリットです。
- 普段から安全で清潔な環境を整えておけば、すぐに遊び始めることができます。
- 水を使う場合は、ビニールシートを敷く、洗面器や大きめのボウルを使うなど、片付けが簡単な場所や方法を選びましょう。
- 屋外から戻った際は、手洗いや着替えを速やかに行うように習慣づけておくと良いでしょう。
まとめ
お子様にとって、手で触れるという経験は、世界を理解するための大切な一歩です。身近にある様々な感触を手のひらでじっくり感じながら、その場所まで移動したり、体を動かしたりすることで、感覚の発達と全身の運動能力が自然に育まれます。
この遊びを通して、「これってどんな感触かな?」と親子で一緒に探求する時間を楽しんでください。お子様の発見に共感し、その動きを応援することで、親子の絆はより一層深まることでしょう。特別な準備は必要ありません。今日から、お子様と一緒に手のひらで感触を探求し、体いっぱいの遊びを楽しんでみませんか。