身近なものでお買い物ごっこ!室内で体いっぱい遊ぶ親子運動あそび 1歳半〜3歳向け
初めての育児、毎日のお子様との関わりの中で、「どんな遊びをしたら良いのだろう」「特別な道具は必要かな」と遊び方に迷うこともあるかもしれません。お子様との時間はかけがえのないものですが、毎日のことですから、準備や片付けが簡単で、気軽に始められる遊びがあると嬉しいものです。
今回は、ご家庭にある身近なものを使って、室内で楽しく体を動かせる「お買い物ごっこ」を通した運動あそびをご紹介します。お子様との触れ合いを深めながら、心と体の成長を促すヒントとなれば幸いです。
身近なものでお買い物ごっこ運動あそび
この遊びは、お子様が見立て遊びに興味を持ち始め、歩行が安定してくる1歳半頃から3歳頃のお子様を対象としています。ルールはとてもシンプルで、特別な技術は必要ありません。親子で一緒に楽しみながら、お子様の成長をサポートすることができます。
準備するもの
- 買い物袋:エコバッグやレジ袋、紙袋など、お子様が持ちやすいもの。
- 商品に見立てるもの:お子様のおもちゃ(ぬいぐるみ、ブロックなど)、たたんだタオルや布、プラスチック製の容器など、安全で扱いやすいものをいくつか。
これらはすべてご家庭にあるもので準備ができますので、新しく何かを買い足す必要はありません。
遊び方のステップ
- 「お店」の準備 お部屋の一角などを「お店」に見立て、商品となるものをいくつか置きます。最初は商品の数を少なく、お子様が一度に運べる量にすると取り組みやすいでしょう。
- 「おうち」の場所を決める お店から少し離れた場所を「おうち」と決めます。例えば、テーブルの下や、お部屋の隅などが考えられます。
- お買い物に出かける 「さあ、お買い物に行きましょう!」と声をかけ、お子様と一緒に買い物袋を持ってお店へ向かいます。
- 商品を選ぶ・集める お店に着いたら、「今日は〇〇を買いましょうね」「△△はどこかな?」などと声をかけながら、商品に見立てたものをお子様に見つけてもらいます。お子様が商品を見つけたら、自分で袋に入れる、またはお母様やお父様が手伝って一緒に入れるなど、お子様の様子に合わせて関わります。最初は一つか二つから始め、慣れてきたら数を増やしても良いでしょう。
- おうちへ運ぶ 商品が入った買い物袋を持って、「おうち」に決めた場所まで運びます。お子様が自分で運びたがる場合は、重さなどを調整して見守りましょう。一人で運ぶのが難しければ、親子で一緒に運ぶのも楽しい触れ合いになります。
- 「買ったもの」を片付ける(オプション) おうちに着いたら、「買ったものを片付けましょうね」と声をかけ、商品に見立てたものを元の場所に戻します。このステップを遊びに含めることで、遊びの終わりが片付けにつながり、物の定位置への意識を育むことにも繋がります。
遊びを通じて期待できる効果
このシンプルなお買い物ごっこには、お子様の心と体の成長を促す様々な要素が含まれています。
- 身体能力の発達:
- 粗大運動: お店まで歩く、しゃがんで物を拾う、立って移動する、袋を持ってバランスを取りながら歩くなど、全身を使った大きな動き(粗大運動)を促します。
- 微細運動: 商品を掴む、袋に入れるといった指先や手を使った細かい動き(微細運動)の練習になります。
- 固有受容覚と平衡感覚: 物が入った袋を持つことで、物の重さや手にかかる負荷を感じ取り(固有受容覚)、バランスを取りながら運ぶことで体の傾きや揺れを感じる感覚(平衡感覚)が養われます。
- 感覚の発達:
- 商品に見立てたものの形や手触り、重さを感じ取る機会になります。
- 部屋の中を移動することで、空間の中での自分の体の位置や、物との距離感を視覚的に捉える力が育まれます。
- 認知能力の発達:
- 「お店」「商品」「おうち」など、身の回りのものを何か他のものに見立てて遊ぶ「見立て遊び」は、想像力や表現力を豊かにします。
- 「〇〇を取ってきて」「△△まで運んでね」といった指示を理解しようとすることで、言語理解力や指示理解力が養われます。
- 部屋の中のどこに何があるかを考えながら移動することで、空間認識能力が育まれます。
- 親子のコミュニケーション促進: 一緒に探し、選び、運び、片付けるという一連のプロセスを通じて、自然な声かけや触れ合いが生まれます。「見つけたね!」「上手に運べたね!」といったポジティブな声かけは、お子様の自己肯定感を育みます。親子で共通の目的に向かって協力することは、絆を深める大切な機会となります。
遊び中の関わり方のヒント
- お子様のペースに合わせて、無理強いはせず、お子様が興味を持ったものから取り入れてみましょう。
- 具体的に褒める言葉を使いましょう。「すごいね」だけでなく、「自分で袋に入れたんだね、上手!」のように、行動を言葉にして褒めると、お子様は何が良かったのかを理解しやすくなります。
- お子様が迷っているようであれば、「こっちかな?」と優しくヒントを出したり、一緒に探したりするのも良いでしょう。
- お母様やお父様も一緒に「お買い物を楽しむお客さん」になりきって、やり取りを楽しむと、お子様もさらに夢中になることがあります。
安全に遊ぶための注意点
- 遊び始める前に、床に滑りやすいものや、お子様が誤って口に入れてしまうような小さなもの、尖ったものなどが落ちていないか確認し、安全な環境を整えましょう。
- お子様が袋を持ってバランスを崩しやすい場合は、最初は袋を持たずに手で運ぶことから始めるなど、段階を踏んでください。
- 商品に見立てるものは、お子様が安全に扱える素材や形、重さのものを選びましょう。
- お子様の体調や機嫌が良いときに行い、疲れている様子が見られたら無理せず中断しましょう。
準備や片付けを簡単にする工夫
この遊びは、普段からお子様が使っているおもちゃや、タオルなど日常的に使うものを商品に見立てることで、遊びの準備を最小限に抑えることができます。また、「おうち」に運んだ後のステップとして「片付け」を遊びの中に組み込むことで、遊びながら自然と物の定位置に戻す練習になり、遊び終わった後の片付けの負担を軽減できます。使った買い物袋を、お子様のおもちゃ収納に一時的に使うなど、工夫してみるのも良いでしょう。
まとめ
身近なものを使った「お買い物ごっこ」は、準備も片付けも簡単でありながら、お子様の身体的な発達、感覚の発達、そして認知的な発達を総合的にサポートできる素晴らしい運動あそびです。何よりも、親子で一緒に笑い、協力し、達成感を分かち合うことで、お子様との絆をより一層深めることができるでしょう。
今日からでも、リビングの一角で小さな「お店」を開いてみませんか。お子様の成長に合わせて遊び方をアレンジしながら、親子で楽しい運動あそびの時間を積み重ねていってください。