おうちの壁でタッチ!体全体を使って遊ぶおうち運動あそび 体幹とバランス感覚を育む 1歳頃から楽しめる
日々の育児、本当にお疲れ様です。お子さんとの時間をもっと楽しく、そして成長に繋がるものにしたいけれど、どんな遊びをすれば良いのか分からない、特別な道具を準備するのは大変そう、と感じていらっしゃるかもしれません。
この「親子で運動あそび広場」では、ご家庭にあるものや、特別な準備がほとんどいらない、手軽にできる運動遊びをご紹介しています。今回は、どのお家にもある「壁」を使った運動遊びに焦点を当てます。壁は、お子さんの発達段階に合わせて様々な体の動きを引き出し、体幹やバランス感覚を養うのに役立ちます。難しいルールや道具は一切不要です。親子で一緒に壁と仲良くなって、楽しい運動の時間にしてみましょう。
おうちの壁を使った運動あそびの魅力
壁を使った運動遊びの最大の魅力は、その手軽さにあります。特別な道具を用意する必要がなく、思い立ったときにすぐに始めることができます。また、壁は安定した支持体となるため、お子さんが安心して体の様々な動きを試すのに適しています。
壁に触れる、寄りかかる、押すといったシンプルな動きを通じて、お子さんは自分の体を支える力(体幹)や、体の位置を感じ取る感覚(固有受容覚)を養うことができます。また、壁との距離感や自分の体の大きさを意識することで、空間認識能力の発達にも繋がります。
1歳頃から楽しめる壁を使った運動あそび
ここでは、1歳頃からのお子さんの発達に合わせて楽しめる、壁を使った具体的な遊び方をご紹介します。お子さんの興味やその日の体調に合わせて、無理なく楽しんでください。
遊び方1:壁タッチ遊び
- 対象となるおおよその年齢: 1歳頃〜3歳
- 準備するもの: 特になし。安全な壁のあるスペース。
- 具体的な遊び方のステップ:
- お子さんと一緒に壁の前に立ちます。
- 「壁さんにタッチ!」などと声かけをしながら、お子さんの手を壁に優しくタッチさせてあげます。
- 慣れてきたら、お子さん自身に壁にタッチするように促します。「壁さんはどこかな?タッチ!」
- 手だけでなく、足で壁にタッチしてみたり、少し離れた壁まで歩いて行ってタッチしに戻る、といったように発展させていくことができます。
- お子さんができるようになったら、タッチするスピードを変えたり、「壁にぎゅーしてごらん」と抱きつくような動きを促したりするのも良いでしょう。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- 体全体の使い方: 手足を使った基本的な動きを学びます。
- 空間認識: 壁との距離感を掴む練習になります。
- バランス感覚: 手や足を壁に伸ばす際に、バランスを取る練習になります。
- コミュニケーション: 親子の声かけや触れ合いを通じて、絆を深めます。
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- 「上手だね」「壁さんこんにちはできたね」など、具体的な言葉で褒めてあげましょう。
- お子さんの様子を見ながら、遊びのペースや内容を調整します。嫌がるときは無理強いしません。
- 安全に遊ぶための注意点:
- 壁の周囲に尖ったものや、倒れやすい家具がないことを確認します。
- 床が滑りやすくなっていないか確認します。
- お子さんの足元に注意し、転倒しないように見守ります。
遊び方2:壁押し遊び
- 対象となるおおよその年齢: 1歳半頃〜3歳
- 準備するもの: 特になし。丈夫な壁のあるスペース。
- 具体的な遊び方のステップ:
- お子さんと一緒に壁の前に立ち、壁に両手をつきます。
- 「壁をぐーっと押してみよう!」と声かけをし、親が見本を見せながら、壁を押す動きを促します。
- お子さんが自分で押すことができたら、「すごい力持ちだね!」と褒めてあげます。
- 親も一緒に壁を押す真似をしたり、少し抵抗を加えるフリをしたりすると、より遊びが楽しくなります。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- 体幹の強化: 壁を押す際に体全体に力を入れることで、体幹の筋肉を使います。
- 上半身の筋力: 腕や肩周りの筋肉を養います。
- 力のコントロール: どのくらいの力で押せば良いかを体で学びます。
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- 「壁さん、動くかなー?」など、遊び心のある声かけで興味を引きます。
- お子さんが力を入れているときに「うん、うん、頑張ってるね!」と励まします。
- 安全に遊ぶための注意点:
- お子さんが壁に頭をぶつけたり、滑って転んだりしないように注意します。
- 力を入れすぎないよう、お子さんの様子をよく見て行います。
遊び方3:壁滑り台ごっこ
- 対象となるおおよその年齢: 1歳頃〜2歳半
- 準備するもの: 特になし。滑らかな壁のあるスペース。
- 具体的な遊び方のステップ:
- お子さんと一緒に壁の前に座り、壁に背中をつけます。
- お子さんの足を前に伸ばし、「壁さん滑り台、しゅーっ!」と声かけをしながら、お尻を少しずつ滑らせて下に降りていきます。
- 親がお子さんの脇を支えながら行うと、より安全です。
- 慣れてきたら、お子さん自身に体のコントロールを任せながら、ゆっくりと降りるように促します。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- 体幹とバランス感覚: 背中を壁につけたまま体を支えることで、体幹とバランス感覚を養います。
- 体のコントロール: 体を滑らせるスピードや止め方を学ぶ練習になります。
- 安心感: 親との触れ合いを通じて安心感を得られます。
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- 「しゅーっ!楽しいね!」など、擬音語や楽しい声かけで盛り上げます。
- お子さんが不安そうなときは、しっかりと支えて安心させてあげます。
- 安全に遊ぶための注意点:
- 壁や床が清潔で滑りやすい素材でないことを確認します。
- お尻を強く打たないように、優しくゆっくりと行います。必要であれば、薄いマットなどを敷いても良いでしょう。
遊びを始める前に・安全に遊ぶための注意点
- スペースの確保: 遊びを行う壁の周囲には、お子さんが安全に動ける十分なスペースを確保し、不要なものは片付けます。
- 服装: 動きやすい服装で行います。裸足か、滑りにくい靴下が適しています。
- 子どもの状態: お子さんの体調が良い時に行います。眠いときや機嫌が悪いときは無理に遊びません。
- 大人の見守り: 遊び中は常にお子さんから目を離さず、安全に配慮します。
- 無理強いしない: お子さんが遊びに興味を示さなかったり、特定の動きを嫌がったりする場合は、無理強いせず、他の遊びに切り替えたり、別の日に試したりしましょう。
準備や片付けについて
壁を使った運動遊びは、文字通り「壁」さえあればできるため、特別な準備や道具の片付けはほとんど必要ありません。遊びたいと思った時にすぐに始められ、遊び終わったらすぐに日常生活に戻れる手軽さが魅力です。事前に周囲の安全を確認するだけで十分です。
まとめ
ご紹介した壁を使った運動遊びは、どれもシンプルでありながら、お子さんの体の発達や感覚を養うのにとても効果的です。特別な道具や難しいルールは一切ありませんから、気軽に日々の遊びの中に取り入れてみてください。
お子さんと一緒に壁に触れ、体を動かし、笑い合う時間は、親子の絆を深めるかけがえのない宝物になるでしょう。お子さんの「できた!」という達成感や、一緒に体を動かすことの楽しさを共有しながら、親子のコミュニケーションを豊かにしてください。お子さんの成長はあっという間です。今この瞬間の、お子さんとの運動遊びの時間を大切に楽しんでいただけたら嬉しく思います。