身近な紙皿で親子の触れ合いと運動能力を育む 1歳半〜3歳向けおうち運動あそび
はじめに：身近な紙皿で、簡単楽しい親子運動あそびを始めましょう
初めての育児は喜びとともに、お子様との遊び方について戸惑いを感じることも少なくないかもしれません。特に、どのように身体を動かす遊びを取り入れたら良いのか、特別な道具が必要なのではないか、と考えることもあるのではないでしょうか。
このサイトでは、おうちにあるものや少ない準備で気軽に始められる親子での運動あそびをご紹介しています。今回は、ご家庭に一枚はあるかもしれない「紙皿」を使った運動あそびを取り上げます。紙皿は軽くて安全なだけでなく、お子様の成長段階に合わせて様々な遊び方ができる魅力的なアイテムです。
紙皿を使った運動あそびの魅力
紙皿は、お子様にとって安全で扱いやすい素材です。軽いので小さなお子様でも持ちやすく、万が一ぶつかっても大きな怪我につながりにくい特徴があります。また、特別な準備はほとんど必要なく、思い立った時にすぐに始められる手軽さも大きな魅力です。
紙皿一つで、「投げる」「転がす」「拾う」「乗る」など、多様な体の動きを引き出すことができます。これにより、お子様の全身を使った大きな動き（粗大運動）や、手先を使った細かい動き（微細運動）、バランス感覚、そして目と体の協調性などを自然な形で育むことにつながります。
おすすめの紙皿を使った親子運動あそび（対象：1歳半頃から3歳頃）
ここでは、1歳半頃から3歳頃のお子様と楽しめる、簡単な紙皿を使った運動あそびをいくつかご紹介します。お子様の発達段階や興味に合わせて、アレンジしながらお楽しみください。
遊び方1：紙皿ころがし追いかけっこ
- 対象となるおおよその年齢: 1歳半頃から
- 遊びを始めるために準備するもの: 紙皿 1枚〜数枚
- 具体的な遊び方のステップ:
- おうちの中の安全な広いスペースを確保します。
- 親御さんが紙皿を床に置き、軽く押して転がします。
- 「くるくる〜、まてまて〜」などと声かけながら、お子様と一緒に紙皿を追いかけます。
- お子様自身が紙皿を押して転がすように促してみます。
- 転がした紙皿を拾いに行く動きを繰り返します。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- 全身運動：ハイハイやつかまり立ちからあんよへの移行期のお子様の全身運動になります。
- 追視能力：転がるものを目で追うことで、動くものを捉える力が養われます。
- 手と目の協応：紙皿を押したり拾ったりする際に、目で見ながら手を動かす調整力が育まれます。
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- 転がる紙皿のスピードを調整し、お子様が無理なく追いかけられるようにします。
- お子様が紙皿に触れたり、自分で転がそうとしたりしたら、「〇〇ちゃんが上手に押せたね！」などと具体的に褒めます。
- 追いかけるだけでなく、「どこかな？」と隠して探す遊びに発展させるのも楽しいです。
遊び方2：紙皿ポイポイ的当て
- 対象となるおおよその年齢: 2歳頃から
- 遊びを始めるために準備するもの: 紙皿 数枚、カゴや段ボール箱など的になるもの
- 具体的な遊び方のステップ:
- 的となるカゴや箱を床に置きます。最初は壁際に置くと、外れても散らかりにくいです。
- 親御さんがお手本として、紙皿をカゴに向かって投げ入れます。
- お子様に紙皿を渡し、「ポイできるかな？」などと声をかけながら、一緒に投げてみます。
- 最初は的のすぐそばから始め、慣れてきたら少しずつ距離を離してみます。
- 入った数を数えたり、「あと〇枚！」と目標を持ったりすると、より楽しめます。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- 投げる動作の発達：腕や体全体を使って物を投げる基本的な運動能力が養われます。
- 目と手の協応：的を狙って投げることで、視覚情報に合わせて体をコントロールする力が育まれます。
- 空間認識：的との距離感を掴む練習になります。
- 集中力：的に向かって集中して取り組む姿勢が養われます。
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- 「上手だね！」「もうちょっとだったね！」など、結果だけでなく挑戦した過程を褒めます。
- お子様が投げやすいように、紙皿の持ち方や体の向きなどを優しくサポートします。
- 競争にするのではなく、親子で協力して的入れを楽しむ雰囲気を作ります。
遊び方3：紙皿バランスウォーク
- 対象となるおおよその年齢: 2歳半頃から
- 遊びを始めるために準備するもの: 紙皿 数枚
- 具体的な遊び方のステップ:
- 床に紙皿を数枚、少し離して並べ、簡単な道やコースを作ります。
- 親御さんがお手本として、紙皿の上だけを慎重に歩いてみせます。
- お子様に「紙皿の上を歩いてみよう！」と誘い、手をつないだり、すぐそばで見守ったりしながら挑戦させます。
- 慣れてきたら、紙皿の間隔を少し広げたり、ジグザグに並べたりと難易度を調整します。
- 紙皿を頭に乗せてバランスを取る遊び（座ったままから）に発展させることも可能です。
- 遊びを通じて期待できる効果:
- バランス感覚：不安定な紙皿の上を歩くことで、体の平衡感覚や体幹が養われます。
- 体のコントロール：足元を見ながら慎重に進むことで、体の動きを調整する力が育まれます。
- 集中力：落ちないように意識することで、集中して物事に取り組む力が養われます。
- 遊び中の子どもとの関わり方のヒント:
- 「ゆっくりゆっくり」「落ちないようにね」など、励ましの言葉をかけます。
- もし落ちてしまっても、「大丈夫だよ」「もう一回やってみよう！」と肯定的に再挑戦を促します。
- 一緒に楽しむことで、お子様の安心感を高めます。
安全に遊ぶための注意点
- 遊びを行う際は、周囲に危険なものがないか確認し、十分なスペースを確保してください。
- 床が滑りやすい場合は、転倒に注意が必要です。カーペットの上などで行うとより安全です。
- お子様の体調が良い時に遊びましょう。疲れている時や機嫌が悪い時に無理強いするのは避けましょう。
- 紙皿を口に入れたり、破片を誤飲したりしないよう、遊びの間は必ずお子様から目を離さないようにしてください。
- 使用する紙皿に破れやギザギザがないか確認してください。
遊びの準備や片付けを簡単にする工夫
紙皿は基本的に使い捨てですが、破れたり汚れたりしない限り、繰り返し使うことができます。軽いので、遊び終わったらお子様と一緒に数えてカゴに入れるなど、片付けを遊びの一環にするのも良いでしょう。特別な道具を広げるわけではないため、準備も片付けも短時間で済みます。
まとめ：紙皿遊びで広がる親子の時間
身近な紙皿を使った運動あそびは、特別なスキルや道具がなくても気軽に始められ、お子様の身体の発達を促しながら、親子の触れ合いを深める貴重な時間となります。お子様が何かに挑戦し、達成できた時には、結果だけでなくそこに至るまでの過程や努力を認め、温かい声かけをすることが、お子様の自信と自己肯定感を育むことにつながります。
親子で一緒に笑い、体を動かす時間は、何よりも大切な宝物です。ぜひ、おうちにある紙皿を使って、お子様との楽しい運動あそびの時間を過ごしてみてください。