身近なクッションや座布団でバランス感覚を育む 生後9ヶ月〜1歳半向け簡単おうち運動あそび
身近なクッションや座布団でバランス感覚を育む 生後9ヶ月〜1歳半向け簡単おうち運動あそび
初めての育児において、お子様との時間をどのように過ごすか、どんな遊びが良いか、と悩むことは自然なことです。特に、特別な道具や広いスペースがなくても、お子様が楽しく身体を動かし、健やかに成長できる遊びを探している方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、ご家庭に普段からあるクッションや座布団を使った、生後9ヶ月頃から1歳半頃のお子様向けの簡単な運動遊びをご紹介します。この時期のお子様は、ずりばいからハイハイ、伝い歩き、そして一人歩きへと、運動能力が著しく発達する段階にあります。クッションや座布団の適度な不安定さは、この時期のお子様のバランス感覚や体幹を養うのに役立ちます。
なぜクッション・座布団遊びが良いのでしょうか
クッションや座布団は、柔らかく、厚みや弾力があるため、床とは異なる独特の不安定さを持っています。この不安定な場所で身体を動かすことで、お子様は無意識のうちにバランスを取ろうとし、体幹やお腹周りの筋肉、バランス感覚が刺激されます。
また、足の裏や手でクッションの柔らかさや沈み込みを感じることは、固有受容覚(手足が体のどの位置にあるか、どれくらいの力が入っているかなどを感じ取る感覚)や触覚の発達にも繋がります。特別なトレーニング器具は不要で、身近なものを使うため、気軽に始められるのも大きな利点です。
この時期のお子様との運動遊びは、単に身体を動かすだけでなく、親子の温かい触れ合いを通じて安心感や信頼感を育む貴重な機会となります。
クッション・座布団を使った簡単おうち運動遊び
対象:生後9ヶ月頃〜1歳半頃(ずりばい、ハイハイ、伝い歩き、よちよち歩き頃)
準備するもの:ご家庭にあるクッションや座布団を数個(お子様が安全に遊べる厚みや硬さのものを選びましょう)
遊び方1:クッションゆらゆらボート
- 目的: 腹ばいやおすわりでのバランス練習、体幹の強化
- 対象: 生後9ヶ月頃〜(おすわりが安定してきたら)
- 遊び方:
- 床にクッションを平らに置きます。
- お子様をクッションの上に腹ばい、もしくはおすわりの姿勢で乗せます。
- 保護者の方がクッションの端を軽く持ち、ゆっくりと優しく前後左右に揺らします。
- お子様がバランスを取ろうと、自然に手足やお腹の筋肉を使います。
- 関わり方のヒント: 「ゆーらゆら、楽しいね」「ボートに乗っているみたい」など、お子様の反応を見ながら優しく声をかけましょう。怖がっていないか表情をよく観察し、無理なく行います。
遊び方2:クッション山越えトンネル
- 目的: ハイハイや膝立ちでのバランス感覚、段差への適応、全身の協調性
- 対象: 生後10ヶ月頃〜(ハイハイやつかまり立ちを始めたら)
- 遊び方:
- 床にクッションをいくつか並べたり、少し重ねたりして、小さな山や段差を作ります。
- お子様が自分でクッションの上をハイハイで乗り越えたり、つかまり立ちで越えようとするのを促します。クッションの下をトンネルのようにしても楽しいでしょう。
- 保護者の方はすぐそばで見守り、必要に応じて支えたり、手を貸したりします。
- 関わり方のヒント: 「よいしょ、よいしょ!」「がんばれー!」と応援したり、「トンネルくぐってみようか」と誘ったりします。達成できたときにはたくさん褒めてあげましょう。
遊び方3:不安定な道を歩こう
- 目的: 伝い歩きや一人歩きのバランス練習、足裏感覚の発達
- 対象: 1歳頃〜(伝い歩きやよちよち歩きを始めたら)
- 遊び方:
- 床にクッションを少し間隔を空けて並べ、お子様がその上を渡れるような「不安定な道」を作ります。
- 保護者の方が手をつないだり、向かい合って手招きしたりしながら、クッションの上を歩くように促します。
- 慣れてきたら、少しだけ手を離してみるなど、お子様の様子を見ながら難易度を調整します。
- 関わり方のヒント: 「ゆっくり、ゆっくり」「ここに足をつけてみようか」と、お子様のペースに合わせて優しく声をかけます。転びそうになったらすぐに支えられるように注意しましょう。
安全に遊ぶための注意点
- 必ず保護者の方がすぐそばで見守り、お子様から目を離さないようにしてください。
- 遊ぶ場所の周りに、ぶつかると危険な角のある家具や、倒れやすいものがないか確認してください。
- 使用するクッションや座布団が滑りやすい素材でないか、お子様が顔をうずめて窒息する危険性がないかなどを確認してください。羽毛など柔らかすぎるものより、ある程度形を保つものが適しています。
- お子様のその日の体調や機嫌が良いときに行いましょう。眠いときや空腹時などは避け、無理強いはしないでください。
- 遊びの中で、お子様が予測しない動きをすることもあります。常に安全を最優先に考え、危険だと感じたらすぐに中止してください。
準備や片付けを簡単にする工夫
クッションや座布団は、普段からリビングなどで使っているものを使用すれば、特別な準備はほとんど必要ありません。遊んだ後も、元の場所に戻すだけなので片付けも簡単です。お子様が興味を示したときに、すぐに遊びを始められる手軽さも魅力です。
まとめ
クッションや座布団を使った遊びは、お子様の成長に必要な運動能力や感覚を養うだけでなく、親子のスキンシップを深める素晴らしい機会です。不安定な場所での動きは、お子様にとって新しい発見とチャレンジであり、それを側で見守り、応援する保護者の方との信頼関係を育みます。
難しく考えず、まずはご家庭にあるクッションや座布団を一つ使って、お子様と一緒に床でゴロゴロしたり、不安定な感触を楽しんでみてください。お子様の笑顔や、少しずつできることが増えていく姿に、きっとたくさんの喜びを感じられるでしょう。安全に注意しながら、親子で楽しい運動遊びの時間を過ごしてください。