光と影で親子で楽しむ室内運動あそび 視覚と体の動きを連動させる感覚あそび 生後8ヶ月頃〜2歳向け
室内で発見!光と影を使った親子の感覚運動あそび
お子様との毎日の遊びに、どのようなものを取り入れたら良いか悩むこともあるかもしれません。特別な道具や広い場所がなくても、おうちの中で手軽に楽しめる運動遊びはたくさんあります。今回は、身近にある「光」と「影」を使った、お子様の感覚と体の動きを育む遊びをご紹介します。
光と影は、私たちの身の回りに常に存在しています。この身近な現象をお子様と一緒に探求することは、視覚の発達を促し、体の使い方や空間認識能力を育むきっかけとなります。生後8ヶ月頃から2歳頃のお子様は、寝返りやずりばい、ハイハイ、そしてよちよち歩きと、体の動かし方をダイナミックに学んでいく時期です。光や影を追いかける、触れようとするといったシンプルな動きも、この時期のお子様にとっては全身を使った大切な運動あそびになります。
光と影を使った運動あそびの準備と遊び方
対象となるおおよその年齢・月齢
生後8ヶ月頃(寝返りやずりばいが安定してきた頃)から2歳頃までのお子様が対象です。体の動かし方が発達するにつれて、遊び方も変化させることができます。
遊びを始めるために準備するもの
- 懐中電灯 または スマートフォンのライト
- 部屋を少し暗くできるカーテンなど
- 安全な室内スペース
ほとんどのご家庭にあるもので、すぐに始めることができます。特別な道具は必要ありません。
具体的な遊び方のステップ
遊び方はお子様の月齢や発達段階に合わせてアレンジしてください。
- 部屋を少し暗くする: カーテンを閉めるなどして、部屋の照明を少し落とします。真っ暗にする必要はありません。光と影のコントラストが分かりやすくなる程度で十分です。
- 光の点を動かす(生後8ヶ月頃〜1歳半頃):
- 床や壁にライトの光を当て、ゆっくりと動かしてみましょう。
- お子様は動く光の点を目で追ったり、手を伸ばしたりするかもしれません。これを「視覚追視(動くものを目で追いかける働き)」といい、視覚の発達を促します。
- ずりばいやハイハイができるお子様なら、光の点を追いかけて体を動かすように促してみましょう。「あっちだよ、光が動いたね」などと優しく声をかけながら、お子様のペースに合わせて進めます。
- 影で遊ぶ(1歳頃〜2歳頃):
- お子様自身の影や、親御さんの影を床や壁に映してみましょう。
- 影を指差したり、「ママの影だよ」「〇〇ちゃんの影だね」と声をかけたりします。
- 影を踏まないように歩くゲームや、親御さんが動かした影をお子様が追いかける「影追いかけっこ」も楽しい運動になります。これは、空間の中での自分の体の位置や、他者との位置関係を把握する「空間認識能力」や、バランスを取りながら体をコントロールする能力の発達に繋がります。
- 手で簡単な影絵(キツネや犬など)を作ってみせるのも良いでしょう。お子様が興味を持ったら、一緒に挑戦してみるのもおすすめです。
- 体全体で影を作る(1歳半頃〜2歳頃):
- 壁に映った大きな影に向かってタッチしに行ったり、自分の体を動かして影の形を変えたりする遊びも面白いです。ジャンプしたり、手を広げたり、体を丸めたりと、様々な動きを試してみましょう。
- これは、自分の体の各部分がどのように動くかを理解し、体を意図的に動かす「体の協調性」を高めるのに役立ちます。
遊びを通じて期待できる効果
- 視覚の発達: 動く光や影を追うことで視覚追視能力が養われます。
- 感覚の発達: 光と影のコントラストを感じたり、影に触れようとしたりする中で、視覚、触覚、平衡感覚など様々な感覚が刺激されます。特に視覚と体の動きを連動させる「視覚−運動協応」の発達を促します。
- 粗大運動の発達: 光や影を追いかけてハイハイしたり、影にタッチしようと立ち上がったり歩いたりする動きは、全身を使った「粗大運動」の発達をサポートします。
- 空間認識能力: 影の位置関係を理解したり、自分の体と影の関係を認識したりする中で、空間認識能力が養われます。
- 親子のコミュニケーションと絆: 一緒に光や影を探したり、声かけをしたりすることで、自然なコミュニケーションが生まれます。お子様の反応に寄り添い、共感することで、親子の絆が深まります。
- 安心感と自己肯定感: 親御さんがそばで見守り、一緒に楽しむことで、お子様は安心感を得られます。できたことや挑戦したことを褒めることで、自己肯定感を育むことにも繋がります。
遊び中の子どもとの関わり方のヒント
- 声かけを大切に: 「わぁ、光が天井まで行ったね」「今度は足の影だよ」など、見たものや動きを言葉にして伝えてみましょう。お子様の五感に働きかける声かけは、言葉の発達にも良い影響を与えます。
- お子様のペースで: お子様が興味を示さない時や、遊び疲れている様子が見られたら無理強いせず、すぐにやめましょう。遊びは楽しいものであることが一番大切です。
- 共感と受容: お子様が予期しない動きをしたり、遊び方をしたりしても、否定せずに「そういう風に感じるんだね」「面白いね」と受け止め、共感する姿勢を示すことで、お子様の探求心や自己表現を尊重することができます。
- 安全第一で見守る: お子様が光や影に夢中になって動く中で、転倒したり物にぶつかったりしないよう、常にそばで見守り、危険がないか確認してください。
安全に遊ぶための注意点
- 周囲の安全確認: 遊ぶ前に、床に危険なもの(小さなおもちゃ、コードなど)がないか確認し、片付けましょう。つまずいたり、踏んだりするリスクを減らします。
- 目に直接光を当てない: ライトの光は強いので、お子様の目に直接当たらないように十分注意してください。
- 長時間の遊びは避ける: 特に低月齢のお子様は、長時間集中することが難しい場合があります。お子様の様子を見ながら、無理のない時間で行いましょう。
- 明るさの調整: 部屋を完全に暗くすると、かえって不安を感じるお子様もいます。薄明かりの中でも光と影は楽しめますので、お子様が心地よく感じる明るさに調整してください。
遊びの準備や片付けを簡単にするための工夫
光と影を使った遊びは、特別な準備や大掛かりな片付けがほとんど不要です。
- 普段使っているライトを活用: スマートフォンのライト機能を使えば、準備の手間がありません。懐中電灯も、電池が入っているか確認するだけですぐに使えます。
- 遊ぶ場所の選択: 普段お子様が遊んでいる安全なスペースを選べば、改めて準備する必要がありません。
まとめ
光と影を使った運動あそびは、身近な環境の中で手軽に始められ、お子様の視覚や体の使い方、空間認識能力といった様々な感覚と運動能力の発達をサポートする素晴らしい機会です。また、親御さんがお子様と一緒に光や影を追いかける中で生まれる自然なコミュニケーションは、親子の絆をより一層深める大切な時間となります。
「特別な遊びをしなければ」と気負うことなく、日常の中にある光や影に少し注目してみてください。いつものお部屋が、お子様にとって新たな発見と喜びにあふれる遊び場に変わるはずです。お子様の「できた!」や楽しそうな笑顔をそばで見守りながら、親子で一緒に運動あそびの時間を楽しんでください。