新聞紙や広告を破って丸めてポイ！手先と全身を使う感覚運動あそび 1歳半〜2歳半向け
初めての育児は、新しいことの連続で、お子さまとの遊び方もどのように工夫すれば良いか悩むことも多いかもしれません。特に、外に出るのが難しい時や、手軽に体を動かせる遊びを知りたいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、おうちにある新聞紙や広告紙を使った、簡単ながらも体の様々な部分を使う運動遊びをご紹介します。特別な道具や広いスペースがなくても、お子さまとの楽しい触れ合いの時間を持つことができます。この遊びは、お子さまの発達を促すだけでなく、親子の絆を深める大切な時間にもなります。
新聞紙や広告紙を使ったおうち運動あそび
身近な素材である新聞紙や広告紙は、工夫次第で多様な遊びに展開できます。今回は、破る、丸める、投げる、そして集めるという一連の動作を取り入れた遊び方をご紹介します。
対象となるお子さまのおおよその年齢
1歳半頃から2歳半頃のお子さまが対象です。 この時期は、手先で紙を破ったり、両手で丸めたり、物を投げたりといった動作が可能になり、言葉でのコミュニケーションも少しずつできるようになってきます。遊びの中で、自分でやってみたいという意欲も芽生えてくる頃です。
遊びを始めるために準備するもの
- 新聞紙または広告紙 数枚
- ゴミ袋や大きめの箱（新聞紙を入れるため。任意）
- 安全な室内スペース
これだけで準備は完了です。特別な道具は必要ありません。
具体的な遊び方のステップ
- 新聞紙を破る
- お子さまに新聞紙を渡し、「ビリビリしよう！」などと声をかけながら、一緒に紙を破ってみましょう。
- お子さまが自分で紙の端を持ち、引っ張って破るのを促します。最初は小さく破ることから始め、慣れてきたら大きく破ることも試してみてください。
- 紙を破る時の「ビリビリ」という音や、破れる時の紙の感触を一緒に楽しみましょう。
- 破った新聞紙を丸める
- 破った新聞紙の切れ端を集め、「くしゃくしゃに丸めてみよう！」と声をかけながら、両手で丸める動作を見せます。
- 小さく丸めたり、大きく丸めたり、様々なサイズに挑戦してみましょう。
- これは、手先や指先を使う微細運動を養う良い機会となります。
- 丸めた新聞紙を投げる
- 丸めた新聞紙をボールに見立てて、「それ！」と声をかけながら投げてみましょう。
- 最初は目の前の床に落とすだけでも十分です。徐々に距離を伸ばしたり、ゴミ袋や箱などを目標物に見立てて、そこに入れる遊びに発展させても良いでしょう。
- 投げる動作は、肩甲骨や腕、体全体の連動を伴う粗大運動です。
- 投げた新聞紙を集める
- 遊びの最後は、散らばった新聞紙を片付ける時間です。「新聞紙さん、お家に帰ろうね」などと声をかけながら、ゴミ袋や箱に集める作業を一緒に行います。
- お子さまが自分で新聞紙を拾って、袋や箱に入れる動作を促します。これは片付けの習慣を身につける第一歩にもなります。
遊びを通じて期待できる効果
この遊びには、お子さまの様々な発達を促す効果が期待できます。
- 身体能力の発達:
- 紙を破る・丸める動作で微細運動や両手の協調性が養われます。
- 投げる動作で肩や腕の筋肉、体全体の粗大運動能力が向上します。物を狙って投げることで、空間認識能力の基礎も育まれます。
- 拾い集める動作で、しゃがむ、立ち上がる、運ぶといった全身運動を行います。
- 感覚の発達:
- 紙を破る時の音や、紙の質感、丸めた時の硬さなど、様々な触覚・聴覚刺激が得られます。
- 感情表現とストレス発散:
- 紙を思いっきり破ったり投げたりする行為は、お子さまにとって心地よい解放感となり、日頃のちょっとしたストレスを解消する機会にもなります。
- 親子のコミュニケーション促進:
- 一緒に同じ作業を行うことで、親子の間に一体感が生まれます。声かけやスキンシップを通じて、愛情を感じながら遊ぶことができます。
遊び中の子どもとの関わり方のヒント
お子さまが遊びをもっと楽しめるよう、いくつかのヒントをご紹介します。
- 言葉で促す: 「ビリビリ、楽しいね！」「上手く丸められたね」「ポイ！できたね！」など、肯定的な言葉で声かけをしましょう。擬音語は遊びを盛り上げます。
- 一緒に楽しむ: 親御さんも一緒になって紙を破ったり、丸めたり、投げてみましょう。大人が楽しんでいる姿を見ると、お子さまも安心して遊びに没頭できます。
- 成功体験を積ませる: お子さまが何かできたら、「すごいね！」「やったね！」と具体的に褒めてあげましょう。小さな成功体験が、次の意欲に繋がります。
- 無理強いしない: お子さまが興味を示さなかったり、飽きてしまったら無理強いせず、すぐにやめても構いません。また別の機会に誘ってみましょう。
安全に遊ぶための注意点
安全に楽しく遊ぶために、以下の点にご注意ください。
- お子さまが紙を口に入れないよう、常にそばで見守ってください。
- 遊ぶスペースの周りに、お子さまがぶつかったり、転んだりして危険な物がないか事前に確認してください。
- フローリングなどで滑りやすい場合は、靴下を脱がせるなど滑り止め対策を検討してください。
- お子さまの体調や機嫌が良い時に遊びましょう。疲れている時や眠い時は、別の遊びにするか、お休みすることも大切です。
遊びの準備や片付けを簡単にするための工夫
この遊びは、準備が非常に簡単です。捨てる予定の新聞紙や広告紙を活用すれば、特別な準備はほぼありません。
片付けについても、遊びの中に「集める」動作を取り入れることで、お子さまも片付けを遊びの延長として捉えやすくなります。大きめのゴミ袋や箱を最初から用意しておき、「ここにぜんぶ入れてみよう！」と声かけしながら、親子で一緒に片付けてみてください。
まとめ
新聞紙や広告紙を使った運動遊びは、身近な素材で手軽に始められるにも関わらず、お子さまの微細運動、粗大運動、感覚の発達、そして感情の表現と、様々な面を刺激することができます。
遊びに「こうしなければならない」という決まりはありません。お子さまの興味や発達段階に合わせて、自由にアレンジしてみてください。大切なのは、遊びを通じてお子さまと楽しく触れ合い、一緒に体を動かす時間を持つことです。
完璧を目指す必要はありません。時には計画通りにいかなくても大丈夫です。お子さまとの「楽しい」という気持ちを一番に、気軽に運動遊びを取り入れてみてください。この時間が、お子さまとの絆をさらに深めるきっかけとなれば幸いです。