身近な『音』を体で表現!親子で楽しむ模倣運動あそび 聴覚と表現力、全身の協調性を育む 1歳半頃から3歳向け
初めての育児、毎日お疲れ様です。お子様との時間、どのように過ごしたら良いか悩むこともありますよね。特別な道具がなくても、おうちで簡単にできて、お子様の成長を促す運動遊びをご紹介します。
今回は、身近な「音」に耳を澄ませて、それを体で表現する模倣(もほう)運動あそびです。これは、お子様が音を聞き分ける力(聴覚)や、感じたことを体で表現する力、そして全身を上手に使う調整力を育むのに役立ちます。
『音を体で表現する』運動あそびとは
この遊びは、親が声で様々な「音」を出し、お子様がその音を聞いて、体全体でその音を真似て表現するというものです。例えば、「ブーブー」という車の音なら手でハンドルを回すような仕草をしたり、「ヒューン」という風の音なら体を揺らしたりします。準備は一切不要で、思い立った時にいつでも始めることができます。
対象となるおおよその年齢
1歳半頃から3歳頃までのお子様におすすめです。 1歳半頃になると、言葉の理解が進み、簡単な模倣ができるようになります。3歳頃になると、より複雑な音を聞き分けて、体で表現できるようになるでしょう。
準備するもの
- 特別な道具は何もいりません。
- 親子の「声」と「体」があれば十分です。
具体的な遊び方のステップ
- 始める前の声かけ: 「これから色々な音を出してみようね。どんな音かな?聞こえた音を、体で真似してみてね。」などと優しく声をかけ、遊びへの興味を促します。
- 親が音を出す: 親が声で身近な音を出します。最初は分かりやすい音から始めましょう。(例:「ワンワン」「ニャーニャー」「ブーブー」「カンカン(踏切の音)」「ゴーゴー(電車の音)」「ザーザー(雨の音)」など)
- お子様が音を聞く: お子様が親の出す音に耳を澄ませるように促します。「どんな音かな?」と尋ねても良いでしょう。
- お子様が体で表現する: お子様が、聞いた音を体で真似して表現します。
- 「ワンワン」なら、犬のようにハイハイしたり、尻尾を振る真似をしたり。
- 「ブーブー」なら、車のように腕を前に出して進む真似をしたり。
- 「ザーザー」なら、体を細かく揺らしたり、手で雨が降る様子を表したり。
- お子様がどう表現したら良いか分からない場合は、親がお手本を見せてあげます。「ワンワンって鳴いているよ。体ではこうするのかな?」と一緒に体を動かしてみましょう。
- 親も一緒に楽しむ: 親も一緒にお子様と同じ音を体で表現してみましょう。親が楽しそうに体を動かす姿を見せることで、お子様も安心して模倣しやすくなります。
- 色々な音に挑戦: お子様が慣れてきたら、出す音の種類を増やしたり、音の強弱(「小さな声でワンワン」「大きな声でワンワン」)や速さ(「ゆっくりブーブー」「速くブーブー」)を変えてみましょう。
遊びを通じて期待できる効果
- 聴覚の発達: 様々な音を聞き分ける力が養われます。
- 模倣力と表現力の発達: 見たり聞いたりしたことを真似る力、そして自分の内側にあるイメージを体を使って表現する力が育ちます。
- 身体の調整力と協調性の発達: 音に合わせて体を動かすことで、全身を協調させて使う能力や、動きの調整力が向上します。これは粗大運動(体全体の大きな動き)の発達にも繋がります。
- 親子のコミュニケーション促進: 音や動きを介したやり取りを通じて、言葉だけではない豊かなコミュニケーションが生まれます。
- 感情表現の豊かさ: 音や動きを通して、様々な感情を表現するきっかけになります。
遊び中の子どもとの関わり方のヒント
- お子様が表現した動きを否定せず、「そうね、そんな音にも聞こえるね」「〇〇ちゃんはこうやって表現したんだね、面白いね!」などと肯定的に受け止めましょう。
- 上手くできなくても、「こうかな?」と一緒に体を動かす手助けをしたり、「今度はこんな音はどうかな?」と別の音を提案したりして、お子様のペースに合わせて進めます。
- お子様の動きや音の真似をしたら、「わぁ、上手にできているね!」「今の〇〇ちゃんのブーブー、かっこいいね!」など、具体的な言葉で褒めて励ましましょう。
- 親も楽しんでいる姿を見せることが、お子様の意欲を引き出す最も効果的な方法です。
安全に遊ぶための注意点
- 周囲にぶつかるものがない、十分なスペースを確保して行いましょう。
- 床が滑りやすい場合は、カーペットやマットの上で行うのが安全です。
- お子様のその日の体調や機嫌に合わせて行いましょう。無理強いはせず、お子様が乗り気でない時は別の遊びに切り替えたり、短時間で終えたりしても構いません。
- お子様が口に運びやすい小さなものが周囲に落ちていないか確認しましょう。
遊びの準備や片付けを簡単にするための工夫
この遊びは特別な準備が不要なため、準備や片付けの手間は一切ありません。お子様が遊びたいと思ったその瞬間に、すぐに始めることができます。遊びが終わったら、「もうおしまいだよ」と声をかけて、気持ちを切り替えられるように促しましょう。
まとめ
身近な音を体で表現する運動あそびは、準備不要で手軽にできるにも関わらず、お子様の聴覚、表現力、全身の調整力など、様々な発達を促す効果が期待できます。何より、音や動きを通して親子の楽しいコミュニケーションが生まれる大切な時間となります。
完璧な模倣を目指す必要はありません。お子様が自分なりに音を感じ取り、体で表現しようとするそのプロセスを大切にしてください。そして、親御さん自身も、お子様と一緒に音を真似て体を動かすことを楽しんでみてください。この簡単な遊びが、親子の絆を深める素敵なきっかけとなることを願っています。