おうちにあるイスやテーブルで全身運動 1歳半頃から楽しめる室内運動あそび
初めての育児では、お子様との遊び方に迷うことがあるかもしれません。特に室内でどのように身体を動かす遊びを取り入れたら良いか、道具がなくてもできるか、といった疑問をお持ちのお母様もいらっしゃるのではないでしょうか。
外に出るのが難しい日でも、おうちにある身近なものを使って、お子様の身体と心の成長を促す運動遊びは十分に可能です。この記事では、普段お使いのイスやテーブルを活用した、手軽に楽しめる室内運動遊びをご紹介します。特別な準備はほとんど必要ありません。
イスやテーブルを使った運動遊びとは
イスやテーブルといった家具を、お子様にとって楽しい「冒険の場所」に変身させる運動遊びです。家具の下をくぐったり、上に乗ったり(安全な高さで)、周りを回ったりすることで、全身を使い、様々な動きを体験できます。お子様の好奇心を刺激し、探求心を育むことにもつながります。
対象となるおおよその年齢
この遊びは、つかまり立ちやつたい歩きができるようになるおおよそ1歳半頃から3歳頃までのお子様におすすめです。もちろん、お子様の発達段階や興味に合わせて内容を調整することで、より幅広い年齢で楽しむことができます。ハイハイやつかまり立ちを始めたばかりのお子様には、低いトンネルや安定した家具の下をくぐることから始めてみるのも良いでしょう。
準備するもの
- イス、テーブル: 安定していて、お子様が寄りかかったり、下をくぐったりしても安全なものを選んでください。角が丸いものや、柔らかい素材の家具があればより安心です。
- クッション、座布団、毛布など: 家具と組み合わせて、高さを変えたり、不安定な場所を作ったりするのに使います。
- マット、滑り止めシート: 必要に応じて、床や家具の脚元に敷き、安全性を高めます。
ほとんどがおうちにあるものばかりですので、準備に手間がかかりません。
具体的な遊び方のステップ
イスやテーブルを組み合わせることで、様々な動きを引き出すコースを作ることができます。いくつか例をご紹介します。
- 家具の下をくぐるトンネル遊び:
- 安定したテーブルやイスを並べ、その下をトンネルに見立てます。
- お子様に「トンネルくぐりに行こう!」と声をかけ、ハイハイやつかまり立ち、歩行で下をくぐらせます。
- いくつかの家具の下を連続してくぐるコースにしても楽しいでしょう。
- これは、四つ這いや低い姿勢での移動を促し、全身の協調性を養います。空間認知の発達にも役立ちます。
- クッションや毛布で乗り越え/不安定遊び:
- 低いイスの前にクッションや座布団を置き、それを乗り越えてイスに座る(あるいはその先へ進む)という動きを取り入れます。
- 床に毛布やラグを敷き、その上を歩かせることで、普段と違う足裏の感覚や、少し不安定な場所でのバランス感覚を養います。
- 高すぎる障害物は避け、お子様が安全に乗り越えられる高さに設定することが大切です。
- 家具の周りを回る/伝い歩き:
- テーブルやイスの周りをぐるぐる回って走ったり歩いたりします。
- つたい歩きのお子様には、安定したテーブルの縁を持って、周りを一周するのを促します。
- これは、歩行の安定性や方向転換、空間認識能力の発達を助けます。
- 組み合わせコース:
- 上記を組み合わせて、簡単な障害物コースを作ります。例えば、「テーブルの下をくぐる」→「クッションを乗り越える」→「イスの周りを回る」といったように流れを作ります。
- コースの終わりに、お子様が好きなおもちゃを置いて「宝物を見つけに行こう!」といったストーリーをつけると、さらに楽しめます。
遊びを通じて期待できる効果
- 粗大運動の発達: ハイハイ、歩く、またぐ、くぐる、バランスをとるといった全身運動を促し、基礎的な運動能力が育まれます。
- 空間認識能力: 家具の配置や自分の身体の位置関係を把握することで、空間を認識する力が養われます。
- バランス感覚と固有受容覚: 不安定な場所を歩いたり、姿勢を変えたりすることで、身体の傾きを感じ取りバランスを保つ能力(平衡感覚)や、手足が今どのような状態にあるかを把握する感覚(固有受容覚)が養われます。
- 達成感と自己肯定感: コースをクリアしたり、新しい動きに挑戦したりすることで、「できた!」という成功体験を積み重ね、自信につながります。
- 探求心と創造性: 家具が持つ本来の用途とは異なる使い方をすることで、発想力や創造性が刺激されます。
- 親子のコミュニケーションと絆: 遊びの中で自然な声かけや身体的な触れ合いが生まれ、親子の愛着形成が深まります。
遊び中の子どもとの関わり方のヒント
- ポジティブな声かけ: 「ここをくぐってみようか」「わぁ、上手にできたね」「すごいね!」といった励ましの言葉をかけましょう。
- 一緒に楽しむ: 可能であれば、お母様も一緒にトンネルをくぐったり、コースに挑戦したりすることで、お子様はさらに喜びを感じます。
- 子どものペースを尊重: 無理強いはせず、お子様が興味を持った動きを好きなだけできるように見守りましょう。疲れている様子なら休憩を挟むことも大切です。
- 安全第一のサポート: お子様の動きに合わせて近くで見守り、必要に応じて手助けをします。ただし、過干渉は避け、お子様が自分でできることは見守る姿勢も大切です。
安全に遊ぶための注意点
- 安定した家具を選ぶ: グラつきやすいイスや、ガラス製品などが置いてあるテーブルなどは避けましょう。
- 周囲の環境を確認: 遊ぶ場所の周りに、ぶつかると危険なもの(角のある家具、壊れやすいもの、熱いものなど)がないか事前に片付けます。
- 床の滑り対策: 滑りやすいフローリングの場合は、マットや滑り止めシートを敷くことを検討してください。
- お子様の状態を観察: 体調が悪いときや眠いときなどは無理に行わず、別の日に行いましょう。
- 目を離さない: 遊び中は決してお子様から目を離さず、すぐに対応できる距離で見守ってください。
遊びの準備や片付けを簡単にする工夫
この遊びの大きなメリットは、普段使っている家具をそのまま活用できる点です。特別な道具を出し入れする手間がありません。遊ぶスペースをリビングの一角など特定の場所に限定すれば、片付けも最小限で済みます。クッションや毛布を少し移動させるだけで、すぐに普段通りの状態に戻すことができます。
まとめ
おうちにあるイスやテーブルといった身近な家具は、少しのアイデアで、お子様にとって発見と運動の機会に満ちた遊び場へと変わります。トンネルをくぐる、障害物を乗り越えるといったシンプルな動きの繰り返しが、お子様の身体の発達だけでなく、自信や探求心を育むことにもつながります。
何よりも大切なのは、お母様もお子様と一緒に遊びの時間を楽しむことです。遊びを通じて生まれる笑顔や触れ合いは、親子の絆をより一層強くしてくれます。ぜひ、おうちにあるもので、お子様との楽しい運動遊びの時間を過ごしてみてください。