おうちで探検!ヒントを頼りに宝探し遊び 体の使い方と指示理解、探求心を育む 2歳頃から3歳向け
初めての育児、お子さんとの遊び方について、特別な道具や準備が必要なのでは、難しく考えがちかもしれません。毎日のおうち時間で、どのように子供と関わったら良いか、遊びがマンネリ化してきたと感じることもあるかもしれません。
身体を動かす遊びは、お子さんの心と体の成長にとってとても大切です。しかし、外に出るのが難しかったり、広いスペースがなかったりしても、おうちの中で工夫次第で楽しく効果的な運動遊びを取り入れることができます。
この記事では、おうちにある身近なものを使って気軽にできる、「ヒントを頼りに行う宝探し風運動遊び」をご紹介します。この遊びは、お子さんが体を動かすだけでなく、考える力や親子のコミュニケーション能力も同時に育むことができるでしょう。準備や片付けも簡単ですので、ぜひ試してみてください。
おうちで探検!ヒントを頼りに宝探し風運動遊び
この遊びは、親が隠した「宝物」を、親からのヒントを頼りにお子さんが探し出すシンプルな遊びです。おうちの中という慣れた空間で行うため、お子さんも安心して楽しむことができます。
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対象となるおおよその年齢
- 2歳頃から3歳頃のお子さん向けです。簡単な指示が理解できるようになる頃から楽しめます。
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遊びを始めるために準備するもの
- お子さんが好きな小さなおもちゃや絵本、タオル、ぬいぐるみなど、「宝物」になるもの1つ
- 宝物を隠すための布やハンカチ(宝物を隠す場合)
- 簡単なヒントを書いたり描いたりするための紙やメモ用紙、ペン(言葉で伝える場合は不要)
- 必要に応じて、床に貼る養生テープなど(宝の地図風にする場合)
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具体的な遊び方のステップ
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宝物を選び、隠す場所を決める
- まず、お子さんと一緒に「宝物」にするものを選びます。お子さんのお気に入りのおもちゃなどが良いでしょう。
- 親が、お子さんに見えないように宝物を部屋のどこかに隠します。このとき、お子さんが安全に触れることができ、無理なく見つけられる高さや場所に隠すことが大切です。例えば、ソファの下、カーテンの後ろ、椅子の下などが考えられます。
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ヒントを考える
- 隠した場所に関連する簡単な「ヒント」を考えます。ヒントは、お子さんが理解しやすいように、場所の名前、物の色や形、手触り、機能など、具体的に伝わるように工夫します。
- 例:「いつもママがお料理するところの近く」「絵本がしまってある棚の近く」「フワフワしている場所だよ」「窓のそばだよ」など。
- お子さんの理解度に合わせて、言葉で伝えるか、絵を描いたり簡単なマークをつけた「ヒントカード」を用意するのも良いでしょう。最初はヒントは1つでシンプルに始めます。
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お子さんにヒントを伝え、探し始めてもらう
- お子さんに「〇〇(宝物)を隠したよ!ヒントはね、〜〜だよ!」とヒントを伝えます。
- お子さんはヒントを頼りに宝物を探し始めます。
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見守り、必要に応じてサポートする
- お子さんが探している間は、少し離れたところから見守ります。
- もしお子さんが迷っているようであれば、「もう少し右かな?」「あそこは見てみた?」など、直接的な答えではなく、ヒントにつながるような声かけで優しくサポートします。
- 親も一緒に探すフリをすることで、お子さんの探求心を刺激することもできます。
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宝物を見つけたら一緒に喜ぶ
- お子さんが宝物を見つけたら、「わぁ!見つけたね!」「すごいね!」と一緒に喜び、たくさん褒めてあげます。見つけた達成感を共有することで、お子さんの自信につながります。
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繰り返して楽しむ(応用)
- 隠す場所や宝物を変えて、何度か繰り返して遊びます。
- 慣れてきたら、ヒントの数を増やしたり、いくつかのヒントを順番にたどっていく「宝の地図」風にするのも面白いでしょう。例えば、床にテープで簡単なルートを作り、その道の途中にヒントを置くなど、遊びの要素を広げることも可能です。
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遊びを通じて期待できる効果
- 身体能力の発達: 宝物を探し回る過程で、歩く、走る、屈む、伸びる、覗き込むなど、全身を多様に使います。部屋の中を移動することで、体のバランス感覚や調整力、空間を把握する能力が養われます。
- 感覚の発達: 隠された宝物やヒントを探すために、視覚や聴覚を集中して使います。ヒントが物の手触りに関するものであれば、触覚も刺激されます。
- 認知能力の発達: 親からのヒントを理解し、それを手掛かりに考える力(指示理解、思考力)が育まれます。どこに隠されているか予測する推測力や、見つけ出すまで諦めずに探し続ける集中力、探求心も促されます。
- 親子のコミュニケーション: ヒントのやり取りや、一緒に探す過程での声かけ、見つけた時の喜びの共有を通じて、言葉の理解を深め、親子の信頼関係や心の絆がより一層深まります。
- 感情表現: 宝物を見つけた時の達成感や喜び、探している間のワクワク感など、様々な感情を体験し、表現する機会となります。
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遊び中の子どもとの関わり方のヒント
- お子さんのペースや発達段階に合わせて、ヒントの難易度を調整することが重要です。最初はとても簡単なヒントから始めましょう。
- 探し当てられなくても、「惜しい!」「もうちょっとかな?」など、優しく励ましの声をかけ、お子さんの挑戦する気持ちをサポートします。
- 見つけた時には、具体的に「ここの下に隠してあったね!」「よくこの色に気がついたね!」などと褒めることで、お子さんの「できた」という感覚を強めます。
- 親自身も楽しんでいる様子を見せることで、お子さんもより遊びに引き込まれるでしょう。
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安全に遊ぶための注意点
- 宝物を隠す場所は、お子さんが安全に手や体を伸ばせる範囲を選びます。高い場所や、不安定な場所、危険なものが近くにある場所は避けてください。
- 遊び始める前に、部屋の中に滑りやすいものやぶつかると危険な角、コード類などがないか確認し、必要であれば片付けて安全な環境を整えます。
- お子さんが遊んでいる間は、目を離さずに見守り、安全を確保します。
- 宝物として使うものは、お子さんが誤って口に入れてしまっても安全なものを選びます。
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遊びの準備や片付けを簡単にするための工夫
- 準備するものは、普段からおうちにあるもの、すぐ手に取れるものを選びます。
- 宝物は、遊び終わったらすぐに元の場所に戻せる、普段から使っているおもちゃなどが便利です。
- ヒントカードを用意する場合も、厚紙などでしっかり作っておけば繰り返し使うことができます。
- テープなどで道を作る場合は、剥がしやすい養生テープなどを使うと、片付けが簡単です。
まとめ
おうちで気軽にできる「ヒントを頼りにする宝探し風運動遊び」は、特別な道具や準備はほとんどいりません。おうちにある身近なものを使って、お子さんの心と体の成長を促し、親子の触れ合いを深めることができます。
探し回る全身運動、ヒントを読み解く思考力、見つけ出す探求心、そして親子の温かいコミュニケーション。このシンプルな遊びの中に、お子さんの成長にとって大切な要素がたくさん詰まっています。
難しく考えず、まずは一つ宝物を隠して、簡単なヒントから始めてみてください。お子さんの「見つけた!」という笑顔は、きっと最高の宝物になるはずです。遊びを通じて生まれる親子の豊かな時間は、かけがえのない財産となるでしょう。