親子で『ぐるぐる』回る運動あそび バランス感覚と前庭感覚を育む 1歳頃〜3歳向け
初めての育児、毎日お疲れ様です。お子様との遊び方について、「もっと色々な遊びを取り入れたいけれど、どんなことをすれば良いのかしら」「特別な道具は必要？」など、気になることはありませんか。
この「親子で運動あそび広場」では、ご家庭にあるものや少ない準備でできる、身体を動かしながら感覚を養う遊びをご紹介しています。今回は、お子様がきっと笑顔になる、親子で一緒に『ぐるぐる』回る運動あそびについてお伝えいたします。
親子で『ぐるぐる』回る運動あそびとは
この遊びは、文字通り親御様とお子様が一緒に、またはお子様自身がその場で、ゆっくりと回転する運動を取り入れた遊びです。特別な技術や広いスペース、高価な道具は一切必要ありません。安全な場所さえあれば、すぐにでも始められます。
『ぐるぐる』回る動きは、子どもたちの身体的な発達、特にバランス感覚や、前庭感覚（揺れや回転を感じ取る感覚）の発達にとても良い影響を与えます。また、親子の身体的な触れ合いを通じて、愛着形成や信頼感を育むことにもつながります。
対象となるおおよその年齢や月齢
この遊びは、お子様が一人で立てるようになる1歳頃から3歳頃まで、成長に合わせて様々な方法で楽しむことができます。
- 1歳頃〜あんよ期: 親御様が抱っこしてゆっくり回る、または手をつないで数歩回る程度から始めます。
- 1歳半頃〜: 手をつないで少し速めに回る、または親御様が座った状態で手をつないで回るなど、バリエーションを増やせます。
- 2歳半頃〜3歳頃: お子様自身がその場でくるくる回る練習をするなど、自立した動きを取り入れられます。
お子様の発達には個人差がありますので、必ずその子に合ったペースで、無理なく進めることが大切です。
遊びを始めるために準備するもの
- 特別な道具は不要です。
- 安全なスペース: 周囲に家具の角や壊れやすいものがない、十分な広さのある場所を選びます。フローリングの場合は滑りにくい靴下を履くなど、安全に配慮してください。屋外で行う場合は、地面が平らで小石などがない場所を選びましょう。
具体的な遊び方のステップ
いくつか遊び方をご紹介します。お子様の月齢や興味に合わせて試してみてください。
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抱っこでゆったり『ぐるぐる』（1歳頃〜あんよ期）
- 親御様がお子様をしっかりと抱っこします。
- 「ぐるぐる回るよ〜」などと優しく声をかけながら、親御様がゆっくりと一回転します。
- お子様の反応を見ながら、回転するスピードや回数を調整してください。目が回りすぎないように注意が必要です。
- ゆっくりと回るだけでなく、座ったまま左右に揺れたり、上下に優しくバウンドしたりする動きも前庭感覚を刺激します。
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手をつないで『ぐるぐる』（1歳半頃〜）
- お子様と向かい合って立ち、しっかりと手をつなぎます。
- 「ぐるぐる回ろうか？」と声をかけながら、ゆっくりと回転を始めます。
- 最初はゆっくりとしたスピードで、徐々に慣れてきたら少しずつ速めてみても良いでしょう。ただし、お子様が体勢を崩さない範囲で行います。
- 回る方向を変えたり、途中で止まってみたり、座って手をつないだまま回ってみたりと、変化をつけるとより楽しめます。
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その場で『くるくる』（2歳半頃〜3歳頃）
- 安全なスペースで、「ここでくるくる回ってみようか？」とお子様に提案します。
- 最初はお手本を見せながら、一人で回る練習を促します。
- バランスを崩しやすいので、近くで見守り、いつでも支えられるようにしてください。
- 目を回しすぎないように、数回回ったら休憩するなど、お子様の様子を見ながら行います。
遊びを通じて期待できる効果
- バランス感覚の発達: 回転する動きは、体が傾いたときに姿勢を立て直そうとする反射（平衡反応）を促し、バランス感覚を養います。
- 体幹の発達: バランスを取ろうとする際に自然と体幹の筋肉が使われます。
- 前庭感覚の発達: 耳の奥にある前庭という器官は、体の傾きや加速、回転などを感知し、バランスや空間認識に関わります。回る遊びはこの前庭感覚を刺激し、発達を促します。前庭感覚が適切に育つことは、集中力や姿勢の保持にもつながると言われています。
- 親子のコミュニケーション促進: 身体的な触れ合いや、楽しさを共有する声かけ、笑顔は、親子の愛着形成を深めます。
- 感情表現: 楽しい、嬉しいといったポジティブな感情を身体全体で表現する経験になります。
遊び中の子どもとの関わり方のヒント
- 無理強いしない: お子様が嫌がったり怖がったりする様子が見られたら、すぐに中止してください。楽しい経験となることが最も大切です。
- ペースを合わせる: 回転するスピードや回数は、必ずお子様の反応を見ながら調整しましょう。
- ポジティブな声かけ: 「楽しいね！」「上手だね！」「もっと回る？」など、笑顔でたくさん声をかけ、楽しさを共有してください。
- 安全第一: 常に安全に配慮し、無理のない範囲で行います。
安全に遊ぶための注意点
- 場所の確認: 周囲に危険なものがないか、滑りやすい場所でないかなど、事前に安全な場所を確保してください。
- 体調の確認: お子様の体調が良いときに行います。食後すぐや疲れているときは避けましょう。
- スピードと回数: スピードを出しすぎたり、長時間回ったりすると、目が回って転倒したり気分が悪くなったりする可能性があります。必ずゆっくりと始め、お子様の様子をよく観察しながら行います。
- 補助: 一人で回るのが難しいお子様には、親御様が近くで見守り、必要に応じてすぐに支えられるようにしてください。
遊びの準備や片付けを簡単にするための工夫
この『ぐるぐる』回る遊びは、特別な道具を必要としないため、準備や片付けは不要です。思い立った時にすぐに始めることができます。安全なスペースを確保するだけで十分です。
まとめ
親子で『ぐるぐる』回る運動あそびは、シンプルながらも子どもたちのバランス感覚や前庭感覚を養うのに役立つ、とても良い機会です。何よりも、お子様と笑顔で触れ合い、楽しい時間を共有することが、親子の絆を深める大切な時間となります。
特別な準備は必要ありません。ぜひ、安全に配慮しながら、お子様と一緒にゆったりと、または楽しそうに、『ぐるぐる』回る遊びを取り入れてみてください。お子様の成長を感じながら、親御様自身もリフレッシュできるひとときになることを願っています。